基礎曲 鷹 沢井忠夫作曲 |
【解説】 箏二重奏曲 はなやかに飛翔する曲の感じから「鷹」と名づけられた。 この曲全体の長さからいえば、かなり大きい部分を占める中間部が、とてもロマンチックなので鷹の勇猛な姿よりも、悠々と飛ぶ姿を想像させる。 中間部の後は、最初のテーマの後半部分を発展させた形になっている。 |
チャレンジ曲 箏四重奏曲 沢井忠夫作曲 |
【解説】 箏四重奏曲(箏1、箏2、箏3、17弦) この曲は、ちょうど弦楽四重奏のように、 非常に緊密な楽器構成で隙がない。全体は切れ目なく演奏されるが、大きくは四つの部分に分けることができる。 第一は、まず三面の箏のピチカートによる美しいテーマで始まります。即興曲風に展開されることが多い沢井忠夫作品の中ではめずらしい、 構成の意図がはっきりしており、各パートがきわめて緊密に構成された美しい曲です。 |
鑑賞曲 百花譜 沢井忠夫作曲 |
【解説】 箏、17弦 二重奏曲 1983年作曲。曲は、春、夏、秋、冬の4つの部分から成りますが、 全体は切れ目なく演奏されます。作曲者 沢井忠夫によると、「百花繚乱に始まる春の部分は、箏と17絃の変拍子を含んだ音達のせめぎあいに、めくるめく色彩を求め、 夏に移ります。この曲の場合、夏とのちに出てくる冬は、私の中の特定の情景によって書かれています。以前、私の家に1本の泰山木がありましたが、そのボッタリと肉厚い、 大きな白い花が、蒸し暑い夏の夕暮れの中で、けだるいような芳香を漂わせ、眩しい夏とは違った、もう一つの夏を私に語ってくれました。 この夏は、そのもう一つの夏です。日本人にとって秋は、格別音楽的、絵画的な季節のように私には思えます。虫の声々も紅葉の錦も我々にとっては、心の琴線を震わす、 音楽であり、絵画でもあるのです。そしてここでは、その日本的な秋の美を求めます。そして冬は、一過ぎた情景が私の中に浮かびます。 その時、庭に寒椿が咲いていました。羽毛のような雪が、その白さと軽やかさで、むしろ暖かささえ装いながら、濃い緑の葉と、紅い花びらに降り積もっていました。 一面の白い世界の中で、僅かにのぞいた深紅は生命の強さを叫ぶように燃えていました。」 |